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入選

隠蔽/露呈

柴山 浩紀

東京大学 工学部 都市工学科 都市計画

共同制作者/向山 裕二

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住宅の周囲にたびたび登場する隠蔽と露呈について考えてみると、壁が「何も無いこと」を隠蔽しているという、一見奇妙な事実に遭遇する。壁は、「向こう側に何かある」ことを暗示している一方で、その実内部と外部は地続きの空間でしかないということを告白している。そこで壁を取り除いてみると、その隠蔽構造は一挙に露呈し、露呈の隠蔽は隠蔽の露呈へと反転する。さらに、住宅の原初的機能(例えば寝室、便所)を埋没させることにより、隠蔽と露呈の対立を煽ってみる。すると、「名付け得る」機能の沈下によって「名付け得ぬもの」が地上に取り残され、視覚的事象から知覚的事象の地平へと露呈構造が拡張される。その瞬間に住宅は遺跡の発掘現場然とした姿を現わにし、埋めることで隠蔽したはずの機能が再び「発見」される。そこには住宅の古代形象とでもいうべきものが顔をのぞかせており、現代住宅によって隠蔽されていた住宅存在が露呈している。

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