優秀賞

荒廃した地に敷居を建築する

杉山 翔太

信州大学大学院理工学研究科 建築学

01-1.jpg

戦後の物質主義にないがしろにされた文化や歴史・感覚。人新世と言われるほど地殻を覆いつくしたふるまいの結果、そのつけが災害や公害など様々な社会問題から荒廃した地となって、近所に彼らは立っている。これらは世界にできたばかりの環境であり、私たちはこの環境でのふるまいをまだ知らない。不気味で近寄ろうとは思わずとも、そこには様々な時間が、揺れた美しさが存在する。私はそれらを素直に受け取り、内省することで、次の時代へのふるまいを見出すことが可能だと考える。そこにいるヒト、イキモノやモノのふるまいから荒廃した地を気遣えるならば、新しいふるまいが起き上がり、共に生きていく覚悟を持つことができる。そこで、私はまず徹底的に地を知ることから始める。今あるふるまいが荒廃した地ではどう存在するかを想像し、その間合いを共有することで、この地でのふるまいを起こすことができるだろう。私は、荒廃した地にその敷居を建築する。