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佳作A賞

船を造ること、海を使うこと、街を育てることー造船業がつくる新しい大きさの中に暮らすー

野中 郁弥

横浜国立大学大学院
Y-GSA

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造船業は巨大である。これは、ただ単に巨大な船をつくるということを意味しない。船をつくるのに長い時間がかかるという巨大さ、地形を利用するという巨大さ、さらには地域社会全体を巻き込むという巨大さもある。造船という行為は都市的なのである。そこで、造船業のうち、最大の力を持つ今治造船に着目する。今治造船は豊かな内海をもつ今治市波止浜を本拠地とする企業である。多島海に点在する造船所を吸収合併することで世界的な造船不況の中、唯一拡大成長してきた。この企業が鎮座する今治市波止浜を対象地とし、内海全体に浮かぶ建築をだらっと広げる。この建築にはレストランや講義室、住居など様々な都市機能が内包され、その並び方によって多様で新しい内海のかたちが現れる。造船業の巨大さをさらに拡大することによって船を造ること以外に内海に多様なアクティビティを現す、内海全体が造船業だけでなく人々にとっての大きな家となる提案である。

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