佳作

マチノアルイエ

川島 範久

東京大学 大学院 工学系研究科 建築学

共同制作者/小見山 陽介

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マチノアルイエ。それは一言では言えないようなあいまいな関係を許容する住宅である。四周を囲む一つながりのこの空間は街の一部であり、本当の意味での家は、この「マチ」を上下左右にゆるやかに分節しているその塔の分だけで十分なのだ。一緒にいたいとき、一人になりたいとき、泣きたいとき、笑いたいとき。うねり、折り重なったその「マチ」空間は、すべてが一つながりになっているはずなのに、その場所場所ごとに不思議とそれらの行為を許してくれそうに見える。さまざまな関係を持った住まい手が、それぞれに相手との距離を考えて、自分の居場所を見つけられる。無理に一人になることもないし、なにかの集団を演じる必要もない。でも確かに自分の周りには無視できない他者がいて、関わりあいながら生きている。街の中に小さな家々が集まっているように僕らはこの家の中に暮らしている。この「マチ」はそんな僕らの関係も認め、許してくれそうな気がする。