top of page

優秀賞

イエの叙事詩

秋吉 由登

横内敏人建築設計事務所

01-1.jpg

新たな社会構造の到来を前にして、所得や階級によって人々を分類する価値観では捉えられない領域があります。私たちは価値観を転換し、より広く人々にとって本質的な豊かさを捉えねばなりません。そしてここでいう本質とは実は、代わり映えしないものであり、私たちの日常を、その深さを見つめ直すことによって見つかるものかもしれません。『イエ』とは私たちが本能的に求める安心と満足が収まる形です。ごく普通の家にも、そこに安らかな居心地を感じれば、そのとき私たちはイエを見ていると言えます。かつての民家には確かにそれがあり、建築形式として一定の形が与えられていました。古民家の減築という手法によって、私たちの生活の豊かさのもう一つの視点を探し、人間生活の本質を体現するイエの形を提案します。

bottom of page