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入選

かげのかぐのかべ

小引 寛也

京都工芸繊維大学 大学院
工芸科学研究科 建築設計学

共同制作者/石川 典貴

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生活空間には様々なモノが存在している。生活空間のなかでも特にリビング/ダイニング/キッチンの空間には、幾つかの固定されたモノに加えて毎日その風景にモノ、人が現われる。 これらは生活においては多様な行動を生み出す一方で、ひどく乱雑な光景を作り出している。しかし、この世に存在する全てのものは多種多様に変化し続けても共通して光に対し影を示す。 光がモノ、人を影としてみせる。光がモノ、人の影をつくりだす。逆らう光はモノ、人の形態以外のすべてを飛ばす。その力によって部屋のなかには形態のみをもった影の立体しか残らない。 照らす光はモノ、人の形態以外のすべてを消す。その力よって壁、床に映し出される影に還元してしまう。 壁をかたどる影にモノ、人が新たに加わることでこの部屋は完成する。モノ、人を影という一つのカテゴリーに変換することで、部屋は乱雑な光景から脱し、さらにはその光景にモノ、人が不可欠になるであろう。

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