奨励賞

大地は広がり、建築は根を張る

安田 諭史

神戸大学 大学院
工学研究科 建築学専攻

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植物は根を張り、土から養分を吸い上げ、朽ち果てた葉は、肥やしとなり、土に還っていく。大地は水を浄化し、養分を蓄え、生き物に生命を宿し、豊かな環境を創ってきた。しかし、私たちは建築の表面にとってつけたような緑を貼り付け、宙に持ち上げられた植物は大地から離れ、アスファルトで覆われた都市では根を張ることもできず、雨水も大地に還ることはできずにいる。植物と大地の繋がりを取り戻すことで、人と植物と大地の関係を再構築し、地球本来の多様性を許容した豊かな生活を取り戻そう。人々を取り巻く環境において、建物が建てられることは地表面が減るのではなく、そこに立ち上がる建物の表面積のすべてを地表面として捉えると緑化の方法は変わってくるのではないだろうか。新たな地表面を大地と直接つなげ、建築そのものがプランターになる。緑化と建築という一見相反するものが一体となり、自然と人工が均衡関係をつくる。