4等

国境、広場、あるいはポメリウム

鮫島 卓臣

イェール大学建築大学院
建築学

08-1.jpg

「種」というのは古さの戦略そのものである。人類に限らず、あらゆる生物は種という系統を用いて、情報が持つ古さを未来へと継承してきた。
2020年、トランプ政権によってアメリカ-メキシコ間に作られた「国境」という巨大な壁は、人種のみならず様々な生物種の生息域を分断し、93もの地上種がわずか4年で絶滅危惧種となった。種という古さの戦略が、壁という建築によって失われている。
分断された種を再統合し、種が持つ古さの戦略そのものが国境となるような建築はないだろうか?
聖域を意味する古代ローマの「ポメリウム」という国境の在り方をヒントに、アメリカ-メキシコの国境に、12の建物に囲まれた円形の広場を提案する。それぞれの建物は地上種のみが通れる隙間を空けて配置され、中央広場は壁によって分断された家族の再会の場となる。いつしか壁が無くなる時、公園が持つ種の多様性は、ポメリウムとして国境の記憶を未来へと継承していく。