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研究報告要約

国際交流

4-202

目的

平沼 孝啓

【開催目的】
1.学生のための発表の場をつくる
学内での研究活動が主体となっている学生にとって、一般市民に開かれた公開プレゼンテーションを行うこと自体が非常に貴重な体験となります。また、現在建築界で活躍する建築家を多数ゲスト講師に迎えることで、質の高い講評を参加者は受けることができます。また、ワークショップ終了後の会場での展示や、会期報告としてホームページや冊子の作成を行い、ワークショップの効果がさらに継続されるような仕組みをつくります。
2.教育・研究活動の新たなモデルケースをつくる
海外での教育経験のある講師を招聘する等、国際的な観点から建築や環境に対する教育活動を行うワークショップとして、国内では他に類を見ない貴重な教育の場を設けます。また、行政や教育機関の連携事業として開催することで、国内外から注目される教育・研究活動として、質の高いワークショップをつくることを目指します。
3.地球環境に対する若い世代の意識を育む
現在、関西地方には、世界に誇る貴重な文化遺産を有する京都や奈良、琵琶湖や紀伊半島の雄大な自然など、豊かな環境が数多く残っています。しかしながら、近年の社会経済活動は環境への負荷を増大させ、歴史的に価値の高い環境をも脅かすまでに至っています。このワークショップでは一人一人が国内における地域環境の特殊性、有限性を深く認識し、今後の建築設計活動において環境への配慮を高めていくと同時に、地球環境の保全に貢献していくことをねらいとしています。次世代を担う学生たちが、具体的な経験を通して環境に対する意識を育むことは、環境と建築が共存できる未来へと、着実につながるのではないかと考えます。
4.地域との継続的な交流をはかる
歴史、文化、自然が一体となって残る地域の特色を生かしたプログラムを主軸に、特殊な地域環境や、住民との交流によって生み出される制作体験を目的としています。各地域には、それぞれの土地で積み重ねてきた歴史や文化、風土があり、短期間のイベントであればそれらを深く知ることはできませんが、数ヶ月にわたる継続的な活動を前提として取り組むことで、より具体的な提案や制作によって、地域に還元していくことができると考えています。

内容

制作内容  “唯一無二の環境を守るために、あなたの提案を実現化してください”
フォリーの原寸模型を地域産材(自然素材 / 木材、和紙、土、石など)の材料で制作

日本の文化を世界へ率いる方々や、建築・美術 両分野を代表する評論家をはじめ、第一線で活躍をされている建築家や都市計画家、アートディレクターやコミュニティデザイナー、構造研究を担い教鞭を執られているストラクチャー・エンジニアによる講評。また近畿二府四県の大学で教鞭を執られ、日本を代表されるプロフェッサー・アーキテクトの皆さまにご参加いただきました。

村上徹  (建築家 │ 広島工業大学 名誉教授)
谷尻誠  (建築家・起業家 │ SUPPOSE DESIGN OFFICE 主宰)
前田圭介 (建築家 │ 近畿大学 教授)
石川勝  (大阪・関西万博 会場プロデューサー)
太田伸之 (実業家 │日本ファッションウィーク推進機構 実行委員長)
前田浩智 (ジャーナリスト │ 毎日新聞 主筆)
建畠晢 (美術評論家 │ 多摩美術大学 学長)
南條史生 (美術評論家 │ 森美術館 特別顧問)
五十嵐太郎(建築史家・建築評論家 │ 東北大学 教授)
倉方俊輔 (建築史家 │ 大阪公立大学 教授)
稲山正弘 (構造家 │ 東京大学 教授)
腰原幹雄 (構造家 │ 東京大学 教授)
櫻井正幸 (エンジニア │ 旭ビルウォール 代表取締役社長)
佐藤淳 (構造家 │ 東京大学 准教授)
芦澤竜一 (建築家 │ 滋賀県立大学 教授)
長田直之 (建築家 │ 奈良女子大学 教授)
平田晃久 (建築家 │ 京都大学 教授)
平沼孝啓 (建築家 │ 平沼孝啓建築研究所 主宰)
藤本壮介 (建築家 │ 藤本壮介建築設計事務所 主宰)
安井昇 (建築家 │ 桜設計集団 代表)
安原幹  (建築家 │ 東京大学 准教授)
山崎亮  (コミュニティデザイナー │ 関西学院大学 教授)
山代悟  (建築家 │ 芝浦工業大学 教授)
吉村靖孝 (建築家 │ 早稲田大学 教授)

参加対象者 建築および環境デザイン等の分野を学ぶ学生および院生
参加人数 53名
参加学生47名+AAF学生スタッフ6名
アドバイザー72名

方法

開催テーマ : “今、建築の、原初の、聖地から”
開催場所   :嚴島神社境内   
合宿・制作場所:大元公園
スケジュール :
2021年
09月21日(火)参加者募集開始
2022年
05月12日(木)参加説明会開催(東京大学)谷尻誠 
05月19日(木)参加説明会開催(京都大学)前田圭介
05月20日(金)参加者募集締切(参加者決定)
06月11日(土)現地説明・調査
07月02日(土)各班エスキース(東京会場)(大阪会場)
07月16日(土)提案作品講評会
07月17日(日)実施制作打合せ
08月23日(火)~29日(月)
合宿にて原寸制作ファイナル(6泊7日)
08月28日(日)公開プレゼンテーション(1日間)
08月29日(月)清掃・解散(1日間)

結論・考察

2021年9月に予定していた明治神宮開催が2022年3月に延期となり、その翌月からは2022年度開催のアドバイザー会議を始めるタイミングとなりましたが、AAFの学生スタッフのメンバーが欠けることなく準備に入れたため、大きな混乱はありませんでした。宮島開催では参加学生より多い、72名のアドバイザー様がご参加くださり、学生の制作に多大なるご支援をくださいました。千畳閣での公開プレゼンテーションでは、岸田総理からの残念ながら罹患されたためにお越しになれなかったためにお送りくださったお手紙を紹介したり、斉藤国土交通大臣や平口農林水産委員長がお越しくださり、実際に作品を体験しお言葉をくださいました。文部科学省のご後援をいただくことになったことで、この教育活動をご理解いただける関係者が広がり、皆で応援しようという士気が高まっているのを感じております。今後もこの貴重な学習の場の提供を継続すべく関係者が協力して関係を築き、この文化活動を創造していく所存です。
今回は宮島での開催でしたが、島内での限られた宿泊所での合宿にかかる費用の値引きが受けられず、予定よりも費用が嵩む結果となりました。コロナ禍で観光客が減り、苦戦を強いられた宿泊先に迷惑をかけられないと受け入れつつ、学生には入島する直前にPCR検査を実施しながら開催することでご協力いただいている宮島の方々への配慮をし、結果として一人も罹患者を出すことなく無事開催できました。設営費用を抑えていただけたことでなんとか切り抜けましたが、現在コロナ禍に加え、円安のために影響を受けられた協賛企業様から継続的な支援について渋られる状況となっていることが懸念点です。
今後は、2023年仁和寺、2024年醍醐寺、2025年万博、2026年法隆寺と開催候補地が決定し、既に募集パンフレットに掲載する座談会も開催しております。来年から京都開催が2年続きますが、地道な努力を続け、金銭面での懸念を払拭したいと思っております。

英文要約

研究題目

Architectural Workshop MIYAJIMA 2022

申請者(代表研究者)氏名・所属機関及び職名

Non-Profit Organization (NPO) Art and Architect Festa (AAF)
Chief Director
Kohki Hiranuma (Kohki Hiranuma Architect & Associates)

本文

Architectural workshop is a workshop where students majoring in fields such as architecture and environmental design leave the campus and under the guidance of lecturers, mainly architects active in Japan and abroad, In that place, the purpose is to create real works.

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