優秀賞

雨のうけみち

鳥山 亜紗子

東京工業大学大学院 環境・
社会理工学院 建築学系

共同制作者/
井出 達也  岩下 昂平
尾花 日向我

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雨が降ったら傘をさす。雨の中で反射的に傘を広げ、自分だけ濡れない空間をつくるという規範的なふるまいが染み付いている我々は、いつからか雨を”避ける”べきものとしてしか認識できなくなっていた。一人で雨を”避ける”だけの空間に、雨に対する新しい感情や意識が立ち上がるようなふるまいが起こる余地はないだろう。

共に雨を”受ける”共同体をつくりたい。

斜めに立ち上がる壁面の連続によって構成される道空間は、従来の人と雨との関係を解体する。常に変化し続ける角度と幅によって、様々な雨との距離が生まれる。そこには常に雨を避け、防ぐような一人の空間はもうない。見ず知らずの、しかしながら同じ空間を体験する人々がそこにいる。

往来の中でいつしか雨の音が止んだとき、上を見上げ傘を畳む。少しの雨ならば走り抜けてしまおう。滝のように流れる雨に釘付けになってしまった。窪みに駆け込んで雨宿りをしよう。同じように肩を濡らした人と目があった。雨との距離の揺らぎの中で、共に雨を”受ける”のだ。