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優秀賞

連担のすゝめ

野本 壮太

京都工芸繊維大学大学院
工芸科学研究科 建築学専攻

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かつての京都の町は豊かだった。道に集い、細長い敷地を住みこなし、小さい緑を寄せ集め、何よりコミュニティの一員としての自覚を持っていた。しかし現代人は個に執着し、効率を追い求めた。その結果、建築は敷地境界から距離を取って閉じ込もり、かつての普遍的で都市環境を連担する建築様式は薄れ、分断された緑がビルに挟まれ一人寂しく佇むばかりである。また、車社会の 代償として、両側町のコミュニティが希薄となり、個への収束は加速するばかりである。そのような現代社会に生きる人々が少しずつ与え合うことで生まれるコミュニティの形。かつて社会に通底していた「京都」という意識を取り戻すためのインフラストラクチャー。

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