佳作

煙突と霧と地平線と

山口 涼

東京造形大学 造形学部
デザイン学科 室内建築専攻領域

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風景と記憶の中に溶け込んでゆく建築。
灰色の煙突からかすかに発生する霧は香りを伴いながら消えてはまた現れ、少しずつ空間を包み込む。地面に存在していたはずの地平線が浮遊するように存在する透明な平面に雨が、雪が、砂が、落ち葉が、環境そのものが、新たな地平線として姿を現す。
霧がもたらす香と浮遊した地平線の生み出す風景。やがて風景は居場所となり、人々が建築に寄り添い物語をつくり始める。
建築を介してつくられた物語たちは香りによって身体を越えて記憶の中に溶け込んでゆく...
再びその香りを感じた時、空間とともにそこで過ごした時間が物語として甦る。