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奨励賞

孔の向こうの物語

山内 翔太

神戸大学大学院工学研究科
建築学専攻 遠藤研究室修土2回

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コンピューターの発達によって私たちはリアルとは別のもう一つの世界を手に入れました。もうひとつの世界に夢中になっているとき、自分が今いる場所性は解体され、空間は意識によって規定されると考えます。建築に穴を穿ち、向こう側の断片を垣間見せることによって人の想像力に働きかけ、物理的空間や距離を飛び越え周辺に大きく広がりながら、つながるような体験ができないかと考えました。孔を介して空想に耽る人々は、一つの空間を共有しつつも自分自身の世界に浸っているのではないでしょうか。それはつまり、パブリックな空間に居ながらにして自身のプライベートな空間にいるということです。建築の持つファンタジーな空想的な側面から考えることで、機能的でも合理的でもない関係性が生み出されるのではないでしょうか?そこには新しいpublicとprivateの関係が、街と個人との関係性が構築されているのではないでしょうか。

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