佳作A

主体(不)在の庭

鈴木 俊

京都工芸繊維大学大学院
工芸科学研究科 建築学専攻

共同制作者/國分 元太

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都市に、植物が主体性を獲得した庭をつくることができるだろうか。計画され、管理された植物たちは、環境配慮というステレオタイプへの免罪符として乱用されている。これからの都市に緑を本当に戻したいのならば、都市を野生の植物に委ねる態度が必要だ。一方、「車」のいない「駐車場」や、「住人」のいない「住宅」といったような「主体不在の場」が都市には多くある。そのような場は将来的に放棄されていくであろう。そんな、放棄されていくであろう場所が、野生の植物たちのインフラとなるように操作を加える。「住宅の屋根を剥がす」「歩道橋の片方の階段を撤去する」といったように、場の構造は残しながら機能を無効化することによって、その場所は人の手から放棄され、植物がやってくる余白が生まれる。野生の植物は人の手から逃れたところに現れ、野生の植物に溢れた場所は、人のための庭ではなく、この惑星のための庭となる。