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佳作

huge, obscure, mother, nothingness

野田 真紅

東京芸術大学 大学院 美術研究科

共同制作者/福田 裕里

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圧倒的な大きさの地盤を架ける。その下に生み出された住空間は、地盤のあまりの大きさゆえに、壁を必要としない。圧倒的な屋根を持つ住居は、外気の影響によってフロアの有効領域が決定され、周縁部は壁の代わりとなる居住不可能なヴォイドとなり、内部は居住可能な空間が緩やかなグラデーションをもって成立する。
「大きい」ことによってできた領域の格差は外部と内部、浅部と深部という二つの軸によって人々の行為を暗示する。地盤の縁部では圧倒的な自然環境の中、限りなく外部に近い状態での居住を可能にする。中心部では、距離感の喪失から日常の景色は歪められ、外界は輪郭を失う。谷の深部に近づくにつれて、居住空間は知覚可能な領域となり、周囲の自然はリアルな大きさをもつ。

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