優秀賞

風景が寄り添う家

木下 領

フリー

共同制作者/輪湖 大元

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この家は環境から身を守るといったような、原初的な住宅の堅固さと、軒下、庭、縁側、窓といったような周辺環境によって機能が移行しうるような、華奢さをもった家である。 住宅における華奢さとは、外部環境を最大限に享受することができ、様々な変化を許容するものである。その華奢な軒下、縁側、窓といった要素に内と外でスケールの異なった厚みを持たせる。これにより華奢な要素が空間のように振る舞い、空間の厚みが環境を緩やかに横断し、生活が外から内、内から外へと移行していく。華奢な空間が創りうる、おおらかさは様々な環境と距離感を保ちながらも共存しあうことで、この家を風景の一部へと昇華させる。そのおおらかさは、季節、天候、風、時間の変化を受け入れながら、食事をする、談笑する、読書をする、昼寝をするといった生活の変化を受け入れる。 ささやかではあるが、そんな全てを受け入れることができる家である。