奨励賞

火防の神の杜(もり)の幸(こう)

杉森 大起

竹中工務店 設計部

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古来より神が宿る場として信仰の対象とされた杜(もり)。
自然への信仰は薄れ、林業の衰退に伴い山林が荒廃している現在、「杜のふるまい」と「人のふるまい」の関係は希薄化している。杜と人の共存共栄の閾となる建築により「杜と人のふるまいの共振」を生む。

 計画敷地は、火防の神を祀った秋葉山への心願植林以来500年に渡り林業が行われている。秋葉山への火防信仰の修験道は多くの参拝者が往来し、火防の神の下で育った木材として天竜林業は江戸市場を独占し日本の木材産業を支えた。
しかし、多くの信者・職人が行き交った参道は現状手入れの行き届かない樹木に覆われ閉ざされた場へと変わった。

 敷地に収束する参道、川、国道の3本の道に対し、旅籠、製材所、道の駅の3つの施設を計画する。大工養成場と観光客を迎える場に加え、木の加工場を複合し、「杜の木を街へ誘う場」と「人を杜へと誘う場」が結節することで、杜と人のふるまいが共振する。