5等

夢現の建築

梅原 拓海

京都府立大学大学院
生命環境科学研究科
環境科学専攻

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僕の記憶には存在しないはずなのに、ずっと昔から知っていたような気がする。
僕が覚えていないのか、それとも前世の記憶というものなのか、
それともさっきまで見ていた夢の続きなのだろうか。
その白い靄は夢現なときにだけ現れる。

人はその日に起こったことや過去の経験を脳で整理し、記憶するために夢を見る。つまり夢とは、実体験に基づいた過去の経験の集積であり、情報という「古さ」の集合体である。しかし、夢には見慣れない景色や全く知らない人といった説明のつかない不思議なものが現れることもある。現実とアンリアルの混在した世界は、新鮮だがどこか懐かしい気持ちにさせる。夢に現れる「古さ」という情報を、その抽象的な美しさを保ったまま、現実世界に抽出し設計することができないだろうか。人の記憶に存在しない根源的な「古さ」を利用した新たな居場所を提案する。