入選

うつろう家

美濃島 健人

武蔵野美術大学 建築学科

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アクリル樹脂でできている透明な屋根と床は、室内に居ながら自然の移ろいを感じることができる。たとえば春分や夏至、秋分や冬至など、季節やその日ごとの風景を切り取り室内に取り込むことが可能だ。あるいは日中、屋根から地面にかけて透過する光、地面から反射し床下に入り込む光、または夜空の月や星の光などこの家の日常を演出し透明性をさらに高めていくこともできる。
止めどなく変化する外部は、天気、気温、雨風など諸要素により内部に多様な陰影をもたらすことになる。1日として同じ気候がないように、室内を彩る陰影も2つと存在しない。
都市における住宅が窮屈で閉鎖的なものであるのに対し、この家は常に周辺の自然を敏感に感じ取り劇的な変化を繰り返す。希薄な都市生活に、1日の出来事を自然の移り変わりの体験と共に心に深く刻ませる家である。